認定NPO法人ボルネオ保全トラストジャパンを通して購入した土地は『ダヤンの森』と名付けられ、州政府に野生動物保護区として寄贈され、未来永劫に渡って多種多様な動植物の自由な住処となっています。
ダヤン誕生40周年という節目の年には、初のクラウドファンディングも立ち上げ『ダヤンの森Ⅳ』を獲得いたしました。2024年からは、Ⅴへ向けての活動を開始します。
かつては広大な低地熱帯雨林が広がっていたボルネオ。
アブラヤシのプランテーション開発はどんどん進んでいます。
アブラヤシから採れるパームオイルはとても優れた植物性油脂。その用途は食用のみならず近年ではバイオマス発電の燃料としても注目を浴びています。
ただそんな優秀なオイルを採るために、原生林を伐採し二度と復元されない土地が増えていくのは、プランテーション化の速さを知れば知るほど地球には優しくないことといえるでしょう。
パームオイル発電は、ヨーロッパではすでにCO2削減にならないと規制も強化されています。原生林を守り、動物たちと共生しながらゆっくりと進めていく方が良いと、私たちは考えています。
森を破壊して広がり続けているプランテーションは、1950年には島の86%を占めていた熱帯雨林を50%までに減少させていたというのです。
ボルネオは世界で3番目に大きな島。かつては広大な低地熱帯雨林が広がり、1500万年以上も姿を変えずにオラウータンをはじめ、多種多様な動植物で満たされていました。
その動物たちの住処が、いま危険に冒されているというのです。
獲得する熱帯雨林は過去に人間が介入した「二次林」と呼ばれる森で、原生林と比べれば巨木が伐採されていたりと劣化はしているものの豊かな生態系が存在し、森林生態系の重要な一部であることに変わりはありません。
また獲得する2次林は個人が所有するものです。流域沿いの集落に住む村民は細かい区画に分けられた周囲の森を先祖代々持っていることも多く、そういった方に働きかけてプロジェクトへの理解と合意を得、土地を購入します。
現地の経済状況や為替の影響もあり土地価格は上昇していますが、環境保護を理由に大上段に構えて買い叩くようなことはありません。私たちが守りたい森のすぐとなりには人々の暮らしがあり、彼らとの共生を考えていくこともまた、熱帯雨林や野生動物のことを考えるのと同じように大切です。
2010年から活動をはじめた『Save the Forest』プロジェクト。
ボルネオ・サバ州のキナバタンガン川沿いの緑の回廊計画に入っている土地2.68ヘクタールを買うことが出来ました。
2.68ヘクタールと言われても…という向きのためにちょっと分かりやすくタタミで計算してみました。
1ヘクタールは10000㎡なので、約1万6千242畳になります!!ってことは8千121坪!
計算してみても、さっぱり見当がつきませんね。
ボルネオの広大な森から見たら、ほんの猫の額程度ですが、わたしたち日本人からみたら広大です。
その素敵に広い手付かずの森が、ボルネオ保全トラストJapanを通じて、マレーシアのNPO『ボルネオ保全トラスト』の所有地となることで、永久に動物たちの保護区となりました!!
キナバタンガン川沿いのスカウという森の中のロッジに泊まって小雨の中、悠々と流れる川を船で進んでいきます。
川の両岸には緑の森が続くけれど、川岸まで迫るパームやしのプランテーションも見えてくる。
緑の回廊計画は川沿いにある保護区、保存林の間にある土地(2万ha)を確保して野生動物が自由に移動できるようにするものなんだけど、まだまだ遠い道のりです。
「このあたりですね」
大きくカーブを回ったところで船が止められました。
なんの変哲もない森だけど、ここはダヤンの森。オランウータンや象にプレゼントすることができる森です。
「上陸したい!」
といっても、川岸はつるつるすべる泥。
結局、私だけが上陸したものの、ジャングルが迫っているので奥へと分け入ることはちょっと無理みたい。
ほらこんな感じ。油断すると滑り落ちちゃう。
池田あきこアトリエ日記より 2011/5/27
始まりは作家が見たプランテーションの森
『こんな面白いツアーがある』と、夫が見せてくれたのが、オートバイでボルネオ島を縦断するバイクツアー。ボルネオ島にはマレーシア、ブルネイ、インドネシア3か国の国境があり、1500キロを縦断する3か国越えのバイク旅。
旅とバイクを趣味とする絵本作家池田あきこは、”赤道”の2文字に惹かれ、このボルネオ縦断の旅へと挑みました。
憧れの赤道…そこではどこを走っても、伐採された木を満載して走るトラックが行き交い、鬱蒼とした原生林と、対照的に整備されたプランテーションの森が長く長く続いていました。
そして、アブラヤシの森がそこかしこにあるのです。
帰国後、絵本雑誌MOEの特集に、ボルネオ島を取り上げたいと編集者に相談。
しかし、日本では知名度が低いボルネオ島は編集の気を惹くことは難しく、暗礁に乗り上げていました。
そこで描いたのがボルネオの森をテーマにした『森のささやき』。
ボルネオの熱帯雨林をモチーフに描いたそのイラストは編集者の心を動かし、念願かなって「ダヤンの故郷・地球を守ろう―SAVE THE FOREST―」という特集の取材のため、再度ボルネオの地を訪れることになったのです。
この絵は「わちふぃーるど」の会社全体を動かすきっかけともなりました。
絵本とグッズ、そしてチャリティー活動
<プランテーションになる前に、森を購入して保存する>という活動に向け、2010年、会社全体となってチャリティ活動を立ち上げ、『森のささやき』モチーフのグッズ売り上げの一部を寄付、池田あきこの周年原画展ではボルネオモチーフの作品展示のほか募金箱を設置、アートパフォーマンスによる原画オークションでは落札金額をすべて寄付へと充てています。
ダヤン40周年をスタートとして、「ダヤンの森 Ⅳ」プロジェクトを開始、1年間の活動で獲得いたしました。
2024年からは「ダヤンの森Ⅴ」 プロジェクトを始動。
「ダヤンの森Ⅴ」の候補地は「ダヤンの森Ⅳ」に隣接した1.311 ヘクタールの土地です。Ⅳ・Ⅴをつなげることで動物たちが行き来できる土地を広げていくつもりです。
「森」の値段は年々上昇、今回はクラウドファンディングも活用し、より多くの人々にこの現状を知り、賛同してもらうことで、もっともっとたくさんの熱帯雨林を動物たちにプレゼントしていきたいと思っています。
「ダヤンの森Ⅳ」へのご協力、どうぞよろしくお願いいたします。
森のおいしい素材を使った株式会社福楽得「美実PLUS」が「猫のダヤン」とのコラボレーションパッケージを全国NewDaysや明治屋、紀ノ国屋などで好評発売中。
「メープルミックスナッツ」にはSave the forestメインビジュアルである「森のささやき」を使用し、売り上げの一部はボルネオ保全トラスト・ジャパンを通じて「ダヤンの森」購入金額の寄附に充てられています。
今年2月、わちふぃーるど直営全店にて「ねこねこ月間」企画の一環として「ボルネオの森活動強化月間」を設け、売り上げの一部を『ダヤンの森Ⅴ』獲得へのスタートアップとして開催しました。
2/1~2/29直営店全店での対象商品総売上金543,218円
この金額の一部をボルネオ保全トラスト・ジャパンを通じて「ダヤンの森Ⅴ」購入金額の寄附に充てさせていただきます。
ご協力ありがとうございました。
【ダヤンボルネオブック】
『ダヤンの故郷 地球を守ろう緑の回廊プロジェクト』のコンセプトや活動を盛り込んだオリジナルブック。
ボルネオ取材の写真やスケッチを交えたSave the Forestプロジェクトオリジナルの冊子です。
池田先生取材時に描いた”ボルネオノート”を参考に、再編集しました。
池田先生からのメッセージ入りです!
2023年6月開催の「猫のダヤン40周年 ダヤンの不思議な旅 池田あきこ原画展松屋銀座会場」にてボルネオ作品の展示および、会期中には募金箱を設置し、たくさんのご厚意をいただきました。
また会期中に行われたアートパフォーマンスでは、作品をオークション販売し、「ダヤンの森Ⅳ」購入資金に充てさせていただきます。
募金いただいた合計金額 523,625円
アートパフォーマンス作品 811,000円
合計金額 1,334,625円
この金額は松屋銀座さんを通してボルネオ保全トラストジャパンに振り込まれ、「ダヤンの森IV」購入資金に充てられます。
募金してくださった方々、作品を落札いただいた方に深く御礼申し上げます。
本当にありがとうございました!